芝 浜 副教会長
先日、教会でもお世話になっている桂かい枝さんの30周年の独演会でNGKに行かせていただきました。とても楽しく、そして感動的なひと時でした。実はメガネをはずしたまま教会を出てしまい、すぐに気づいたのですが戻る時間もなく、見にくいだろうなぁと少し落ち込んだ感じで会場に入ったのです。しかし席はなんと最前列で、見えにくいというストレスもなく心から楽しむことができ、本当にありがたかったです。
かい枝さんとご縁の深い方々による文楽に始まり、かい枝さんの「ハル子とカズ子」、ナイトスクープの探偵としても大活躍の二葉さんによる「看板の一」、続いて、鶴瓶さんの高校時代のくせの強い先生を題材にした「青木先生」のネタで大笑い(教会長は笑いすぎて涙を流していました)、仲入り後、かい枝さんの「芝浜」という落語で終了でした。「芝浜」とは
腕はいいのに怠け者でお酒好きな魚屋の主人公が、妻にせかされて何日か振りに仕事に出る。そこで大金の入った財布を拾う。それに気を大きくした主人公は、妻にもう仕事はしない、このお金で遊んで暮らすと宣言し、友人たちを呼び大宴会をし、酔いつぶれてしまう。翌朝妻に起こされ仕事に行けと言われる。大金が手に入ったから行かないと答えると、妻はそんなお金はない、夢でもみたんじゃないかと嘘をつく。主人公はそれを信じ、大酒飲みのせいでお金を拾うという情けない夢を見てしまった。と反省し一切お酒をやめ、仕事に精を出すようになる。もともと腕はいいので数年後には表通りに店をだせるようになった。ある大晦日に妻が真実を話し、嘘をついたことを謝る。すると主人公はこんな風にお正月を迎えられるのはお前のおかげだとお礼を言う。妻にお酒を勧められるが、また夢になるといけないからやめておくと断った。
というお話です。
夫を思うゆえについた妻の嘘=妻の機転。嘘を責めずに、自分を身近に支えてくれたことに感謝する夫。真剣に変わろうとすれば前向きに変われるんだなぁといった事々が、かい枝さんの表現と相まってすごく伝わってきました。本当に感動しました。こんな機会をいただいてありがたかったです。
前にもお話しましたように、何度か文楽を観にいく機会があって興味があったのですが、今回の独演会は、最初に文楽があって、本当に近くで観ることができました。「こんなに近くで…」と連呼してしまうほどうれしかったです。メガネを忘れても全然問題ありませんでした。
NGKで文楽が演じられたのは、開場以来初ということ、また、松竹芸能所属の笑福亭鶴瓶さんが、NGKに出演されるのも、大変珍しい機会だったということです。こんな機会も、「ご神縁」からのこと。これからも「神縁」を通して、素敵な人との出会いや、お話にめぐりあってまいりたいと思います。